経済を読むポイント

危機前の過剰消費経済には戻さない「グローバル不均衡の解決」

『報告』は、世界経済を中長期的にどのようにもっていくのかにも触れている。現在の世界経済の問題は「グローバル不均衡」にあると言う。つまり、米国が一方的に消費をし、投資をする。米国には貯蓄が少ないから、資金を世界の貯蓄に求めて、米国債などを通じで借金をする。その結果、経常収支は赤字をつづけ、債務国への道を突き進んでいく。その他の国は、米国に輸出をして、貯蓄を米国に投資をして、米国の過剰な消費、過剰投資の一翼を担ってきたが、国の金融危機でこのメカニズムは立ち行かなくなった。『報告』は、いまのままではいけないと言っているが、不均衡は解消の傾向にある、と非常に楽観的な見方だ。しかし、今回の事態は大恐慌以来最も深刻なもので、貯蓄率の上昇も不況下にあるせいであり、持続的かどうかはまだ見極めがっかない段階だ。米国の政策当局は、今回の事態を均衡回復にもっていくチャンスだと考えているようだ。

 

オバマ政権の経済政策がブッシュ政権の経済政策の考え方と根本的に異なるのは、米国経済は、危機に陥る前の状況に復帰するだけでは十分ではないと言い切っている点だ。ブッシュ政権は、09年の『報告』で、自分たちの経済政策は間違っていなかったから、危機が過ぎれば以前の事態に戻すべきだと言っていた。今回の危機の原因を取り除こうとせずに、白分たちの正当性を強弁する姿勢で、まさにあきれた報告だった。これに対し、今年の『報告』は、高水準の消費と低貯蓄、過剰な住宅建設と異常な資産価格の上昇、双子の赤字-こうした事態を異常とみなして、是正し、均衡の回復にもっていきたい、つまり、危機前の経済には戻さないというのが、根本思想となっている。

年始から為替相場で再燃した欧州債務危機の一角にいるポルトガルの国債入札が、今晩7時半に予定されている。昨日は日本の野田財務相が欧州危機の救済に乗り出す考えを示し、また、欧州中央銀行(ECB)がポルトガル債を継続して購入したのではとの観測も入り、ユーロドルは堅調に推移している。日本が表明したのは、欧州金融安定基金(EFSF)が発行する債券の購入で、外貨準備を使用すると表明しているもののユーロには好材料と捉えられた。本日の入札ではユーロ圏内各国の意地もあるだろうし、何とかして順調に進みそうだ。明日には同じ債務国であるスペインやイタリアの国債入札を控えるが、一旦はユーロ買いの動きになりそうだ。その場合、今月6日に下落し始めたレベル、1.31ちょうど近辺が目先ターゲットとなる。

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