アメリカオバマ政権が挑む中期的な課題

アメリカオバマ政権が挑む「中期的な課題」

「報告書」の第8章、9章、10章は、米国経済の中長期的な課題を扱っている。第8章は、「米国労働力の強化」にかかわる政策課題を取り上げている。米国では、足下で失業が深刻な事態となり、『報告』は、ごれまでのブッシュ政権とは異なり、黒人、ヒスパニック系の失業率の高さ、人種間の違いを強調している。また、中流家庭の没落を指摘するのもオバマ政権の特徴で、ブッシュ政権の『報告』では、全然、そのことへの言及はなかったし、逆に経済生活の安定が強調され、た。こうした問題の解決策として、労働生産性を上昇させること、教育を充実させることを挙げている。 2020年までに世界の大学卒業生に占める米国の比率をトップにするとか、数学と科学を世界のトップにもっていくといった具体的な目標を掲げている。

 

第9章は、「エネルギー・セクターの転換と気候変動への取り組み」だ。温室効果ガス排出問題は、ブッシュ政権においても言われてはいたが、オバマ政権は、クリーンエネルギーへの転換を通じて経済構造それ自体を変革するという壮大なプランを提示している。これは、復興法にも盛り込まれているが、太陽光や風力のような再生エネルギーによる発電と送電、エネルギー効率を高めたり、輸送も工夫して省エネを図ることなどが実際に進みつつある。なかでも、クリーンエネルギーへの転換にはずみをつけるよう、市場原理を活用した排出権取引については、国際的な取り組みが必要で、オバマ政権は積極的に展開しようとしている。

 

最後の第10章は、「イノベーションと貿易による生産性成長の促進」とのタイトルで、イノベーションこそが成長の源泉の1つだと論じている。経済学では一般的に、経済成長を生産性の観点から、@物的資本投入、A人的資本投入、B全要素生産性(TFP)の3つに分類する。『報告jは、生産性成長に最も関係が深いのは、イノベーションを含む全要素生産性であり、次いで、人的資本、物的資本の順になると言う。

 

失業問題には即効薬がまだ見つかっていない

 

最後に、オバマ政権の経済政策の特徴についてまとめてλよ-=i-オバマ政権は、金融危機に始まった実体経済の落ち込yこ、真剣に取り組んできたが、最侵支したぶよ、芝認尹対策だった。まだそれは終了したわけでぱないが、金融
財政政策によって国内、そして国際的な展開を行ってきた。市場重視のブッシュ政権とはひと味もふた味も違った、財政重視の政策を展開してきたのがその特徴だろう。そして、中長期的な課題へも、まず09年にはヘルスケア改革に取り組み、紆余曲折を経ながら、何とか成立にこぎつけた。さらに、10年は、金融規制改革に手をつけようとしている。これもおそらくウォールストリートからのさまざまな働きかけによって、前述した「これは改革ではない。おふざけだ」に後退する可能性もなきにしもあらずだが、オバマ政権と議会は何がしかの改革にたどり着くだろう。

 

しかし、オバマ政権の最大の課題は、失業問題だが、これを解決する即効薬がまだ見つかっていない点に大きな課題を残すことになる。この課題を克服するために、中長期の戦略で言えば、エネルギーの転換、クリーンエネルギー経済の実現によって米国をよみがえらせるとしている。また、政府が積極的に関与することで民間の投資を誘導しようとしている。オバマ政権はさらに、イノベーション・技術革新の重要性を説き、それを国際的不均衡の是正に役立てたい考えだ。つまり、輸出を軸として、経常収支赤字削減と長期的には財政赤字の削減を達成しようとしている。その背後には、米国の均衡の回復を世界経済の不均衡の是正につなげたいとする壮大な計画がある。ITで世界をリードする企業続々と生まれたように米国の知的生産性は高いから、イノベーションは今後も続くかもしれない。しかし、クリーンエネルギーが輸出産業にまで育つのか。米国だけでなく、世界の先進国がこの分野を次の成長産業と位置づけ、競争は激しくなるだろう。「壮大な計画」は絵に描いた餅に終わるかもしれない。しかし、野心に富み、米国の再生に希望を持たせるに足る内容であることも確かだ。

 

年始から為替相場で再燃した欧州債務危機の一角にいるポルトガルの国債入札が、今晩7時半に予定されている。昨日は日本の野田財務相が欧州危機の救済に乗り出す考えを示し、また、欧州中央銀行(ECB)がポルトガル債を継続して購入したのではとの観測も入り、ユーロドルは堅調に推移している。日本が表明したのは、欧州金融安定基金(EFSF)が発行する債券の購入で、外貨準備を使用すると表明しているもののユーロには好材料と捉えられた。本日の入札ではユーロ圏内各国の意地もあるだろうし、何とかして順調に進みそうだ。明日には同じ債務国であるスペインやイタリアの国債入札を控えるが、一旦はユーロ買いの動きになりそうだ。その場合、今月6日に下落し始めたレベル、1.31ちょうど近辺が目先ターゲットとなる。

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